DOCTOR INTERVIEW

ドクターインタビュー

理事会で知り合える先生たちとの繋がりが一番の財産

九州医師協同組合 連合会会長
伊東 文明先生

Profile
筑紫丘高校、久留米大学医学部卒。祖父、父の跡を継ぎ、伊東外科医院(福岡市博多区博多駅南)院長を務める。全国医師協同組合連合会副会長、全国医師休診共済会理事、九州医師協同組合連合会会長、福岡医師協同組合副理事長、一般社団法人JMC厚生会会長と、多くの医師関連団体の理事を兼任。趣味はゴルフ、神社仏閣巡り

九州医師協同組合連合会会長をはじめ、全国の組織の理事を兼任する伊東文明先生。博多区からの推薦で福岡医師協同組合(=福医協)の理事になったのは、今から17~18年前のことだそうだ。

「福医協は職員が30人くらいと、全国的にも大きな医協です。会議にはすべて顔を出すようにしているので、月7回ほど皆さんと顔を合わせています。そこで知り合う先生たちとの繋がりは一番の財産です。治療について相談したり、気軽に患者さんを紹介できる先生がいるのは本当に心強いです。福医協は若い人たちが頑張ってくれていて、僕が理事として入った頃に比べると売上も倍になっています。購買課や保険課などがありますが、全体の流れがわかるようにローテーションしながら勉強して、効果的な活動ができるよう努めてくれています。特に今の若い子たちは、物怖じせずに積極的に頑張ってくれており、保険の商品を売る資格を取る試験を受けたりと努力しています。新しく組合に入った若い先生は余裕がないから保険までは手が回らないかもしれませんが、病気や事故に遭ってはじめて保険のありがたみがわかると思います。余裕ができたら、ぜひ一度保険の内容を見直してみることをおすすめします」。

威厳があるのに語り口は柔らかく、真面目な話より冗談を飛ばしている方がなぜかイキイキしている伊東先生。安心感や信頼感が感じられる良いお声が印象的

先生は九州医師協同組合連合会の会長も兼務していらっしゃいます。

「九州医師協同組合は連合会だからあまり予算がない。単組によっては職員が2~3人しかいないところもありますから、職員の人数が多い福岡が職務を兼務しています。だから連合会の会長も福岡から出す流れになっています。別に私が優秀だから選ばれたわけでもなんでもないんです(笑)」。

全国医師協同組合連合会(=全医協連)の副会長もされてます。

「全医協連の理事には九州からも何人か出てもらっていますが、『常務理事か副会長を出してくれ』となった場合、規模の大きい福岡からという流れになるんです。東京や大阪を中心に、関東や関西でも組合活動は活発ですが、ボリュームゾーンの大きい九州の存在感は大きいです。私も毎月1回の三役会に出席し、全医協連における大きな流れづくりに関わっています」。

伊東先生はなぜ医師になろうと?

「私の場合は、親父も祖父も医者だったからその流れに乗ったということなんです。人助けがしたいという思いはありました。親父が外科で開業していたのに兄は内科医を選んだので、じゃあ自分は外科がいいかな、と。高校時代に応援団の団長をしていたのですが、外科は体育会系みたいなところがあるんです。手術は、術者が言う通りにチームが動くことが求められます。そこが合っていたのかも」。

コロナ禍を経て今の医療機関を取り巻く環境はいかがでしょうか。

「親父たちの頃、さらに我々が駆け出しの頃より厳しいでしょう。特に近頃は病院の7割ぐらいが赤字と言われてます。人件費は上がり、医療費は上がらない。高価な医療機器をカバーするまではいかないですね。保険点数の改善は言われていますが、一律には上がらない。新しい医療に特化したものは保険点数が上がるみたいですが…」。

仕事はしないと、楽しみもない。
頑張るほど余暇の楽しみも大きい。

先生が研修医の頃はどうでしたか?

「僕らの頃は研修医の制度はなく、タダ働きでした。手術の手伝いに入っても第3助手くらいの立ち位置だから、術者が何をしているか見えない。なのに手術レポートを書けって言われるわけ。仕方なく教科書を見ながら書いて提出したら『こんなことしてない』って言われる(笑)。そういう世界でしたね。大学にいる時は指導医の先生に朝昼晩ご飯を食べさせてもらっていました。伝統なんでしょうね。定期預金を解約した病棟の医長もいましたね。今は研修医にも給料が出ているけれど、昔は『大学で勉強させてあげている』という考え方だったので、よその病院にアルバイトに行ったり、当直に行ったりとかして生計を立てていました。今は制度が変わってますが、うちの娘も今大学病院に勤務しながら、やっぱり外にも仕事に行ってます」。

先生は外科医のお仕事に加えて理事もされて、お忙しいですよね。

「福医協の会議が月7回、あと全国の会議は土日なんで週末が忙しいです。土曜は日田の病院にも行っていて、月に1回以上は東京や関西の会議に。都合が合えばうちの嫁さんも関西には連れていきます。僕は昼まで仕事だけど、嫁さんは京都に行きたい和食の店があるから前乗りすることも。仕事を頑張らないと、楽しみもないですね」。

楽しみはなんですか?

「趣味はゴルフかな。以前は月に2~3回行っていたけれど、今は月1回くらいです。志摩シーサイドカンツリークラブが割と人気。南国チックでちょっと距離が短くていいスコアが出るから気持ちよく帰れます。接待とかする時にもおすすめですね。嫁さんとも一緒にゴルフしますよ。久留米の高良山に登って下るトレーニングを早朝2時間ほどしたり、体は動かしてます。外食? 家で食べるご飯が一番いいかな。自慢じゃないけど嫁さんが料理上手でね(笑)」。