
特別室専用門「東門」の前で。快適なドライブを叶えてくれる車は景色の中で美しさも発揮する
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特別な人の特別な体験
長崎県雲仙市 旅亭 半水廬
旅亭 半水廬(りょてい はんずいりょ)

特別室専用門「東門」の前で。快適なドライブを叶えてくれる車は景色の中で美しさも発揮する
長崎県雲仙の「旅亭 半水廬」と言えば、高級ホテル専門宿泊サイトでも高評価に輝く憧れの宿。 JR九州クルーズトレイン「ななつ星in 九州」ツアーの宿泊先としても選定され、ミシュランキーも獲得している。標高700mの山の中、5000坪の敷地に全室離れの客室がたったの14室。まさに空間の贅沢を味わえるとっておきの宿だ。雲仙の温泉街を抜けて国道57号を行くと左に見える看板を鋭角に曲がって門へと進む。自然に溶け込んださりげない看板は、見逃しがちなので慎重にドライブしたい。柿葺きの「長屋門」に近づくとゆっくり扉開き、導かれるように、石畳のアプローチを下るとスタッフが出迎えてくれる。車のキーを預けて駐車してもらっている間に談話室に通されてチェックイン。自家製の季節の和菓子と仲居さんが点ててくれたお抹茶のおもてなしにほっとひと息、心地よいソファに体を預ける。ここから客室へと案内してもらうのだが、滞在中にぜひ本館の調度品も鑑賞したい。有田焼の大皿や2階ラウンジの壁を彩る貝を埋め込んだ組木細工の壁画は美術館級の芸術品だ。天井の照明、柱一つをとっても贅を尽くしており、建築関係などその道の人によく驚かれるのだそう。
本館は洋風の造りだが、客室は数寄屋造りなど和や和洋折衷の落ち着いたテイストだ。京都の宮大工、庭師など熟練の職人たちが5年の歳月をかけて作り上げた客室と、部屋から眺められる日本庭園が美しい。この静けさの中で心が解きほぐされる癒しを求め、年に数回滞在するどころか毎月訪れる常連のお客さまもいるのだそう。部屋の調度品も輪島塗の屏風や文机など、縁起が良いモチーフの工芸品がさりげなく置かれ、空間に品を与えている。
客室は平屋の特別室2棟と2階建の離れが12棟あるが、離れとは言え、各客室を結ぶ内廊下の繋がる扉もあり、大浴場に行くのに外に出る必要がないという贅沢な造り。中でも贅沢の極みは特別室だ。特別室専用の「東門」と専用門があり、みごとな日本庭園にかこまれた数寄屋造り。居間にはフリードリンクのホームバーを備え、和室、食事室、寝室、サウナと風呂、さらに露天の岩風呂まで!広さ300m²もあり、建物や調度品、清々しい空間を存分に堪能することこそが目的になりうる、これぞ「特別室」だ。食事はお部屋食。仲居さんの付かず離れずのプロフェッショナルなサービスは、特別感をさらに増してくれて、旅のパートナーとはもちろん、仲居さんとの会話も弾む。この贅沢な造りゆえに他のゲストに会うこともあまりなく、まるで別荘にいるかのようなお籠もり感が味わえるのだ。
特別室1階の広縁と緑いっぱいの日本庭園
特別室「寿苑」の和室から暖炉を備えた居間を眺める
同じく「寿苑」の食事用座敷。畳縁が空間に趣きを加えてくれる
「寿苑」の門
ベッド仕様の「寿苑」
特別室はヒノキの内湯と露天風呂、さらに専用サウナを備える
雲仙温泉の歴史は古く、今から約1300年前に湯治場として開かれたと伝えられている。江戸末期からは避暑地として開発され、西洋人が足繁く通い発展してきたのだそう。温泉は硫黄を含んだ硫黄泉。殺菌能力が高く皮膚トラブル、神経痛や五十肩などに効能がある。雲仙は地獄めぐりも有名だが、「半水廬」は源泉から離れているので硫黄の匂いがほとんどしない。内湯も露天風呂も温度調節が絶妙に施され、心地よさは群を抜いている。火山の恩恵をいただきながら気分もさっぱり、そして身体はポカポカに。ウルトラファインバブルのシャワーヘッドなど最新設備も導入されていて、創業30年の月日を感じさせない快適さだ。
気分転換には、つつじやしゃくなげ、萩など270種の植物が国立公園を借景に溶け込んでいる庭園散策がおすすめだ。美しい苔を愛でながら石畳を歩いていくと、鯉が泳ぐ池や小さな滝もあり、茶室「洗心庵」近くの水琴窟もリラクゼーションの一助に。正月には「洗心庵」で初釜を執り行い、宿泊客にも振る舞うそうなので、年末年始をこの宿で過ごすのはまた格別だろう。フォトスポットを点打ちしたスタッフ手作りの「お散歩マップ」を頼りに歩くと、夕刻には灯がともり、さらに幻想的な美しさを楽しめる。
苔が美しい庭園の石畳
東門近くの鯉が泳ぐ池は小さな滝もある
茶室「洗心庵」の外は四阿になっており座って休憩もできる
吹き抜けの本館ロビー。2階の組子細工の壁は必見だ
大浴場(東の湯)の露店風呂。肌触りがやさしい湯
客室内に茶室を持つ「如月」1階から庭を眺める
「長屋門」から本館を眺める。春から夏の緑の頃も素晴らしい
さて、この宿のメインイベントとも言える夕食は、歴代の料理長に師事し、’18年より四代目総料理長に就任した本多光一氏による「京都吉兆嵐山本店」の流れを汲む味。雲仙や長崎など地元食材を中心にした旬の素材を出汁で味わう日本料理だ。人柄そのままのような繊細でやさしい味は、食べる元気に、寿命まで延びそうに感じられる。生産者とコミュニケーションを取りながら月替わりのメニューを考案するそうだが「雲仙は食材に恵まれていて、ひらめきを与えてもらえる」のだとか。雲仙の食材を紹介しながら常連さんの好みの料理や食事量、塩分などの調整にまで心を砕いて提供しているそうだ。事前予約のオプションメニューも含め、このおもてなしの真髄が「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎2019特別版」で料理と宿の両方で星獲得という快挙に繋がったのだろう。ちなみに朝食は美味しいものを少しずつというコンセプトでついつい食べ過ぎそう。お粥か白米か選べるのもありがたい。
地獄めぐりなど、雲仙は観光も楽しめるのだが、「半水廬」そのものが魅力にあふれている。全国に名を轟かせた旅亭の魅力は色褪せることなく、時が醸す落ち着きがさらなる深みを与えている。
赤身の旨味が強い「長崎牛の溶岩プレート焼き」。味はもちろん、柔らかさにも驚嘆
オプションでオーダーできる「鯛の塩釜焼き」
塩釜を木槌で割ると笹の香りがたち、ふっくら蒸された鯛の身は絶妙な塩加減に仕上がっている
普賢岳と平成新山を望むレストランのテラスに立つ総料理長・本多光一氏
長崎県雲仙市小浜町雲仙380-1
0957-73-2111
1泊2食付2名 151,800円~
チェックイン15:00/チェックアウト11:00
あり カード/可
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